スカッシュとラケットボールの違い

室内スポーツとしてマイナーながらも多くのプレーヤーが存在するスカッシュラケットボール。知らない人からしたら、どちらも同じように見えますよね。コートやラケットの形が似ているスカッシュとラケットボールですが、よく見ると微妙に違いがあります。プレーしたことのある人なら、その違いは何と言ってもボールのスピード感でしょうか。ここでは、室内ラケットスポーツとして人気のある両者を比べてみました。

よく見てみると意外と違う

まずはラケットの形状にご注目ください。テニスラケットを縮小したように見えるスカッシュラケットに対し、ラケットボールはラケット面積が大きく、そのグリップ部分も短めになっています。一番の特徴は、ラケットボールのラケットには手を通すヒモが付いており、サイズ的にはスカッシュの方が大きめです。両者を並べるとスカッシュはバトミントン風、ラケットボールはハエたたきのように見えたりもします。

ボールとコートの特徴

ボールはラケットボールの方が1.5大きく、スカッシュボールは卓球ボールとほぼ同じサイズです。重さはラケットボールが約40グラムに対し、スカッシュボールは約28グラムで、弾力のあるラケットボールは大人の腰幅くらいまで跳ね上がります。コートは両者ともガラス張りで囲まれているので、外からも観戦が可能です。サイズはラケットボールが縦12.2×横6.1×高さ6.1m、スカッシュが縦9.8×横6.4×高さ約5.6m以上でほぼ同じと言えますが、スカッシュにはコート内に有効範囲を表示するラインが引いてあります。

ネットがないラケット競技

プレー方法は壁に打ったボールを2人で交互に打ち返し合います。その時に、フロアで2バウンド以内またはノーバウンドで打ち返します(レシーブ時)が、自分が壁に打つ時(アタック時)はノーバウンドです。ここまではお互い同じルールです。ラケットボールは天井、サイド、後ろの4壁の跳ね返りを使えるのに対し、スカッシュはライン内で行う必要があります。ラケットボールはダブルスが認められていますが、スカッシュは個人競技となっています。

歴史と繁栄

紳士淑女のスポーツと呼ばれるテニス同様、スカッシュはイギリスで誕生しました。起源は19世紀初頭のロンドンにある監獄で、囚人が運動不足解消のために壁打ちを始めた時と言われています。その後1966年には世界スカッシュ連盟がイギリスのイースト・サセックスに設立され、世界選手権も実施されています。その競技人口は全世界で2000万人と推定されています。一方、自由の国アメリカで1950年に誕生したラケットボールは、YMCAを中心に少しずつ広がり、国際大会は1990年に設立した国際ラケットボールツアー(International Racquetball Tour)によって世界ツアーが実施されています。日本では2007年からIRTジャパンが窓口となり公認国内大会を開始しています。